【米大統領選2016】サンダース氏、南部ウェストバージニア州予備選で勝利

バーニー・サンダース氏

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米大統領選で10日、南部ウェストバージニア州の民主党予備選が行われ、バーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)が勝つ見通しとなった。米メディア各社が伝えた。候補指名に必要な代議員の数でサンダース氏は、クリントン前国務長官に大きく後れを取っているが、この勝利によって望みをつないだ。

共和党では、ただ1人残り候補指名が確実な実業家ドナルド・トランプ氏が、ウェストバージニアと中西部ネブラスカ両州で勝った。

次の予備選が来週開かれる西海岸のオレゴン州セイレムで支援者を前にしたサンダース氏は、大歓声に応え、「すでに19の州で予備選や党員集会に勝った。これ以上ないというくらいはっきり言おう。私たちは民主党候補の指名を獲得するために、戦っている」と戦い続けることを表明。自分こそ本選でトランプ氏に有利に戦える、世論調査結果がそれを示していると強調した。

サンダース氏はさらに、これまで公約してきたとおり、大学学費無料化や富裕層への増税を実施すると繰り返した。

AP通信によると、クリントン氏の獲得代議員数2239人に対して、サンダース氏は1469人。7月の党大会で候補として指名されるには、2383人必要。

共和党ではトランプ氏が候補指名されるのが確実視されているが、その一方で党内主流派の支持を得られていない。現在の共和党で最も高い公職に就いているライアン下院議長は、トランプ氏が保守としての理念に欠けているため支持できないと発言している。

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<解説>アンソニー・ザーー、ワシントン

インディアナとウェストバージニアで連勝したサンダース氏は、またしてもクリントン氏に対して勢いをつけている。しかし4月に5連勝した時と同様、民主党の候補指名獲得へと着実に歩を進めるクリントン氏への影響はほとんどないだろう。

ウェストバージニアでの投票傾向は特に独特だったことが、出口調査結果から分かる。民主党に投票する有権者の4割が、バラク・オバマ氏ほどリベラルではない候補を希望すると答えつつ、サンダース氏を2対1以上の割合で支持したのだ。

さらに、オバマ氏よりもリベラルな大統領を望む民主党支持者は27%だが、そのほとんどがサンダース氏を支持した。

つまりサンダース氏の支持層の一部は、「クリントン以外なら誰でもいい」という人たちなのかもしれないと考えると、この結果は納得できる。

ここまでくるとサンダース氏にはどんな協力でもありがたいに違いない。次の4州では健闘するだろうが、6月に控える大票田・カリフォルニア州では壁にぶちあたるかもしれない。カリフォルニアの多様な住民はクリントン氏を支持しているし、まさかの大番狂わせでサンダース氏がカリフォルニアで勝たない限り、そこで結果は決まる。

しかしそのときまでサンダース氏は絶え間なくクリントン氏に、嬉しくない事実を突きつける。民主党支持者の中にはいまだに、自分を完全に受け入れない人たちがいるのだと。

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<各候補の獲得代議員数>