安倍首相「強い憤り覚える」 沖縄女性死体遺棄で
沖縄県の女性の死体遺棄容疑で元米軍属のシンザト・ケネフ・フランクリン容疑者(32)が逮捕されたことについて、安倍晋三首相は20日、「強い憤りを覚える」と述べた。
4月から行方不明となっていた20歳女性の遺体は、シンザト容疑者の供述に基づいて捜索した場所で見つかった。シンザト容疑者は容疑を認めているという。警察は同容疑者に対する殺害容疑でも捜査を進めている。警察によると、シンザト容疑者は嘉手納基地で働いていた。
今回の事件は、大規模な米軍基地や基地関係者の犯罪に対する沖縄県民の不満をさらに刺激するとみられる。
オバマ米大統領は、来週26、27日に予定されている主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせて訪日する予定となっている。
安倍首相は記者団に対し、「非常に強い憤りを覚える。今後、徹底的な再発防止など厳正な対応を米国側に求めたい」と述べた。さらに、「ご家族のことを思うと、言葉もない」と語った。
岸田外相は外務省にケネディ駐日米大使を呼び、正式に抗議。外相は、「極めて遺憾で強く抗議する」と述べた。
ケネディ大使はこれに対して、「警察や日本政府に全面的に協力し、こうした事件を2度と起こさないように全力で努力したい」と語った。
一方で佐々江賢一郎駐米大使は、今回の事件が同盟関係の根本的な目的に影響すべきではない、と述べた。
第2次世界大戦後に結ばれた安全保障条約に基づき、日本には約5万人の米軍兵士・軍属が日本に駐留。このうち約半数が沖縄県内で働く。
安倍首相は今年3月、米軍普天間飛行場の移設計画をめぐり、住民が長く反対してきた名護市辺野古での工事を中止するという裁判所の和解案を受け入れると表明した。
多くの沖縄県民は県外移設を希望している。辺野古への移設による環境破壊を懸念しているほか、米軍基地が事故や犯罪を増やすと考えている。