トランプ米大統領就任に抗議、5つの方法 無料大麻も

ジェシカ・ラッセンホップ記者

就任式が行われたワシントンでは抗議デモも行われた

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1.黒くめの服の暴徒

トランプ氏が連邦議会議事堂前で宣誓する直前、黒い服装をし、目出し帽をかぶった数百人の集団が、無政府主義を表す旗を掲げて、ワシントン中心部を足早に行進した。就任式会場から数ブロック離れた場所で行われたデモで掲げられていた垂れ幕には、トランプ氏の選挙スローガンをもじって「人種差別主義者をまた恐怖させる」(訳注:トランプ氏のスローガンは「米国をまた偉大にする」)と書かれていた。

デモは暴徒化し、黒装束の人々が建物の窓ガラスを割り、ごみ箱をひっくり返すなどした。ヘルメットを被り、警棒を手にした多数の警官たちが追い払おうとしたが、デモ参加者の多くは走りだしてさらに街路を進んだ。最終的には警官に囲い込まれ、逮捕者も出たもよう。

いくつかの州で合法化された大麻の使用をトランプ新政権が取り締まるのではないかとの懸念から、抗議デモが行われた

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2.無料大麻

ワシントンを本拠とする団体「DCMJ」は無料で大麻を配り、大麻の合法化と、司法長官に指名されたジェフ・セッションズ上院議員の長官就任への反対を訴えた。

セッションズ氏は、「良い人間は大麻を吸わない」と発言したことで知られ、上院での指名承認公聴会では、合法化した州に対して大麻を禁じる連邦法を適用しないことは約束できないと語った。

ワシントン特別区では、少量の大麻の所持と配布が許されている。

DCMJのメンバーらは、牢獄を模した仮設からたばこのように巻かれた大麻を手渡していた。仮設には「セッションズ氏は大麻について時代遅れだ」と書かれた垂れ幕がかかっていた。

座り込み抗議をする人々

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3.就任式会場の入り口を封鎖

「Black Lives Matter(BLM、黒人の命も大事)」運動や環境保護、LGBT(ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダー)権利擁護に関連した団体などが、就任式会場の入り口の一部で座り込み抗議をして、就任式を祝おうとする人々を邪魔した。デモ参加者には、入り口のゲートに鎖で自らを縛り付ける人も人もいた。

トランプ氏支持者たちは、別の入り口に向かった。

バッジと「子猫帽」の両方を身に着けた下院議員

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4.医療保険制度改革法(オバマケア)の維持を訴えるバッジの着用

ナンシー・ペロシ元下院議長など民主党の下院議員たちは「#ProtectOurCare(我々の医療保険を守れ)」と書かれたバッジを胸に付けた。トランプ新政権はオバマ前政権が成立させた医療保険制度改革法の撤廃を目指している。

ペロシ氏はツイッターで、バッジについて、「きょうの就任式で、私たちの団結とACA(医療保険制度改革法)への支持を象徴する」ものだとコメントした。

何人かの女性議員は、就任式でピンクの「子猫帽」を被るつもりだと語った。このニット帽は、翌21日にワシントンで予定される「女性大行進」でも被る人が多数いるもよう。帽子は、女性への性的暴行についてトランプ氏が下品な発言をしたことへの抗議でもある(訳注:「子猫=pussy」は俗語で女性器を表すことがある。トランプ氏はかつてこの単語を使って、「女性器をわしづかみにする」と発言していた)。

12番街・マジソン通りから見たナショナル・モールの様子
画像説明, 12番街・マディソン通りから見たナショナル・モールの様子

5.家で過ごす

多くの市民たちは就任式に行かないことで抗議を表明した。オバマ前大統領の就任式では、パレードの沿道や連邦議会議事堂前の公園「ナショナル・モール」は群衆で埋まったが、今回は空いた場所が目立った。

一方、ワシントン首都圏交通局はツイッターで、地下鉄の利用者が19万3000人だったと発表した。オバマ前大統領の2009年の就任式では51万3000人が利用、2013年の2期目の就任式でも31万7000人が利用していた。ジョージ・W・ブッシュ元大統領の2期目の就任式だった2005年でも、地下鉄の利用者は19万7000人いた。

ジャーナリストのブライアン・ステルター氏はツイッターで、就任式をテレビで見る写真を投稿するよう呼びかけたところ、何人かは電源を落としたテレビの写真を投稿して応じた。