中国GDP、第1四半期は6.8%減 90年代以降初のマイナス

A worker connects two parts of a steam vat filled with fermented grain in Chengdu, China

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中国の国家統計局は17日、2020年1~3月期の国内総生産(GDP、速報値)の実質成長率が、前年同期比でマイナス6.8%だったと発表した。新型コロナウイルスが昨年12月に発見された中国では、厳しい都市封鎖で多くの生産拠点が2カ月半にわたり閉じていた。

中国で四半期ごとの成長率がマイナスに転じるのは、統計を取り始めた1992年以来初めて。

今年1月からの湖北省ロックダウン(都市封鎖)など厳しい感染対策による経済への影響が懸念されていたが、マイナス6.8%は大方の予測よりもやや悪い結果となった。

英誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニットは、この1~3月期のマイナス成長は「持続的な収入源につながり、中小企業の破綻や失業につながる」と予測する。

中国の昨年1~3月期の成長率は6.4%だった。当時はアメリカと厳しい貿易戦争の渦中にあったが、それでも着実な成長が続いていた。

過去20年の間、中国は平均9%の年間成長率を記録してきた。ただし、その経済統計の信頼性は絶えず疑問視されていた。

中国は経済停滞の打撃を緩和するため、様々な経済支援対策を打ち出しているが、他の経済主要国の規模には匹敵しない。

上海で取材するBBCのロビン・ブラント記者は、大規模な景気刺激策を中国政府が用意しつつあるようだと指摘。中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」は、「国内需要拡大」のための措置が予定されていると伝えている。

一方で、調査分析会社オックスフォード・エコノミクスのアナリスト、ルイ・クイジス氏は、「中国政府は大規模な刺激策に否定的なので、それは予想していない。それよりも政府は、2021年の改善を見越して今年は低成長を受け入れることになると思う」と話す。

中国は3月から徐々に工場や事業の再開を認めているが、ロックダウン以前の状態に戻るには時間がかかる。

国際通貨基金(IMF)が14日に発表した世界経済見通しによると、中国の経済成長率は、今年はわずか1.2%で1976年以降の最低水準にとどまる見通し。中国政府が最近公表した雇用統計によると、失業率が急増しており、特に輸出産業が大きい打撃を受けている。