全米ライフル協会を「国内テロ組織」に認定 サンフランシスコ市

A protester hold an anti-NRA sign at the 2018 March for Our Lives protest in Los Angeles

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画像説明, 2018年3月、ロサンゼルスで反NRA(全米ライフル協会)を掲げる抗議者

米カリフォルニア州・サンフランシスコ市管理委員会(市議会)は3日、銃規制に反対の立場をとる全米ライフル協会(NRA)を、正式に「国内テロ組織」に認定する決議案を、満場一致で可決した。

決議案は、アメリカは「蔓延(まんえん)する銃暴力に苦しめられて」おり、NRAは「自分たちの甚だしい資金力と組織力を使い、銃所有を推進し、所有者に暴力行為をそそのかしている」と非難している。

さらに決議案は、「どの国にも暴力的で憎悪にまみれた人間は存在する。しかし、自動小銃や大容量の弾倉が容易に手に入るのは、アメリカだけ。それはもっぱら、全米ライフル協会の影響によるものだ」と批判している。

また、NRAと取引している企業との関わりについて再考するよう、サンフランシスコ市と国に求めている。

「銃乱射をあおっている」

サンフランシスコは野党・民主党の強力な地盤で、1964年以降、歴代市長に民主党が当選している。

民主党は普段から、NRAの発言が銃乱射事件をあおっているとして非難を続けている。

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「当然の報いを」

同市管理委員会のキャサリン・ステファニー議員は、「NRAは当然の報いを受けることになる」と述べた。

ステファニー氏は地元テレビ局KTVU-TVに対し、「NRAは偽の情報を拡散し、我々を傷つけ、恐怖に陥れるであろう人物に銃器を故意に与えている」と述べた。

さらに、ギルロイ・ガーリック・フェスティバルでの銃乱射事件後に決議案の作成を開始したと明かした。

「真の問題から気をそらすため」の「ばかげた行為」

NRAは、この決定は「ばかげた行為」で、「蔓延する路上生活者や薬物乱用、急増する軽犯罪といった、サンフランシスコが直面している真の問題から気をそらす」狙いがあると反発している。

The San Francisco skyline

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与党・共和党は激しく批判

決議案をめぐっては、保守的な共和党市議会議員から激しい批判が上がった。

サンフランシスコ市は米国内で最もリベラルな都市の1つとされるが、共和党は、同市が行っている個人の銃所有を制限するための試みや政策のほとんどに反対している。

同市管理委員会は今年7月、 「重罪人」「違反者」「受刑者」「依存者」「非行少年」といった、犯罪歴のある人を表す言葉の代わりに「人を優先する言葉」を使うよう求める、法的拘束力のない決議案を可決した。

当局は、「以前収監されていた人」、「裁判に関わった」人、「社会に復帰した人」といった表現を使うことを求められている。

この取り組みは、同市の犯罪率に影響を及ぼす可能性は低いとして、保守派などから即座に冷笑された。