香港の民主化リーダー3人、デモを前に相次ぎ逮捕
香港の民主化運動のリーダーとして著名な、黄之鋒(ウォン・ジーフン、英語名ジョシュア・ウォン)氏(23)と周庭(同アグネス・チョウ)氏(22)が30日朝、香港の警察当局に逮捕された。2人が所属する政党が明らかにした。
政党・香港衆志(英語名デモシスト)がフェイスブックで出した声明によると、黄氏は同日午前7時半ごろ、鉄道の駅に向かって歩いていたところ、「路上でミニバンの民間車両に無理やり押し込まれた」。
その後、湾仔(ワンチャイ)の警察本部に連行されたという。
黄氏と周氏には、「無許可の集会に参加するよう人々をあおった」疑いと、「無許可の集会に意識的に参加した」疑いがかけられているという。
黄氏はさらに、「無許可の集会を準備した」疑いもかけられているとされる。
これらの容疑は、6月21日の抗議デモに絡んだものだという。同日のデモでは、参加者が警察本部を約15時間にわたって包囲した。
一方、警察当局は黄氏らの逮捕に関し、コメントを出していない。
周氏は日本語を話すなど親日家として知られ、何度か来日して香港のデモについて語っていた。
「雨傘運動」からリーダー的存在
反政府デモが2カ月以上にわたって続く香港では、31日の土曜日にもデモが予定されている。ただ、警察当局はこれを承認していない。
黄氏の逮捕は、多数の市民が参加する週末デモの前日というタイミングでなされた。31日に週末デモが開かれれば、13週連続となる。
今回の反政府デモは指導者がいないとされる一方、2014年の民主化デモ「雨傘運動」でリーダー役を果たした黄氏を、再び指導者と見なす人は多い。
黄氏は雨傘運動での役割で有罪とされて服役し、6月に刑務所を出所していた。
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別の運動家も日本行き直前に
香港独立を訴える著名な運動家、陳浩天(アンディ・チャン)氏も29日夜、香港から日本に向かう飛行機に乗ろうとして、警察に拘束されたと述べた。
地元メディア・香港フリープレス(HKFP)によると、警察当局は陳氏を逮捕したことを認め、暴動を起こした容疑と、警察官への暴行容疑がかけられていると説明したという。