香港デモ、空港への交通を妨害 警察は威嚇発砲や放水

Passengers with their luggage walk to Hong Kong's airport. Photo: 1 September 2019

画像提供, Getty Images

画像説明, 荷物を手にしながら香港国際空港へと徒歩で向かう利用客たち

反政府デモが続く香港で、8月31日と9月1日の週末も市街地や空港に多数の市民が集まり、抗議行動を繰り広げた。警察は公道でのデモを認めなかったが、これを無視する格好となった。

1日午前には、香港国際空港に近いバス乗り場に、黒い服を着た何千人ものデモ参加者が集結。空港ビルに向かって前進し、中に入ろうとしたところ、警官隊と空港職員に阻止された。

するとデモ参加者たちは、空港ビルの別の建物へと移動。空港へと通じる道路を封鎖し、他の交通手段の往来も妨害した。

同空港は小島の上に建設されており、いくつかある橋を通る以外は移動手段がない構造になっている。

A protester looks at a blocked road to Hong Kong's airport. Photo: 1 September 2109

画像提供, Getty Images

画像説明, 香港国際空港に通じる道路は封鎖され、電車の運行も止まった

発着便のキャンセルはほとんどなかったが、遅れが生じた便もあった。空港利用者の中には、徒歩で空港ビルに向かう人もいた。

参加者の1人は、「空港を機能不全にすれば、もっと多くの外国人が香港のニュースを読むことになる」とロイター通信に語った。

同空港では一時、電車エアポートエクスプレスの運行が停止された。空港職員は、線路に物が投げ入れられたのが原因と説明した。

警察の機動隊が到着すると、デモ参加者たちは機動隊の動きを鈍らせようと、バリケードを張った。しかしその後、徒歩で空港を去った。

同空港では8月、大勢のデモ参加者たちによって数日間、機能不全となり、何百もの航空便がキャンセルとなった。

<関連記事>

実弾で威嚇発砲

前日の31日には、香港中心部に市民が集まり、警官隊との衝突が起こった。

この日は、中国政府が2014年に、香港の行政長官を完全に民主的な選挙で決めることを禁じてから、5年目に当たる。警察当局は集会の開催を事前に禁止していた。

それでも市民が道路などを埋めると、警官隊は空に向けて実弾による威嚇発砲をした。催涙ガスや放水銃も使用し、何千人ものデモ参加者を退散させた。

のちに、機動隊が地下鉄の車内で警棒で人々をたたき、コショウスプレーを噴霧したことを示す画像も出回った。

警察当局は、「過激な抗議行動をする人」が市民に暴力をふるっている現場に呼ばれ、それに応じたと説明している。

BBCのスティーヴン・マクドネル中国特派員は、香港の抗議デモは3カ月目に入ったが、収束する様子はうかがえないと伝えた。