英仏独、サウジ石油施設攻撃でイランを非難 共同声明

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サウジアラビアの世界最大規模の石油施設が今月14日にドローンで攻撃されたことを受け、イギリス、フランス、ドイツの欧州3カ国は23日、攻撃はイランによるものとして同国を非難する共同声明を出した。イランはこれに反発している。
ボリス・ジョンソン英首相、エマニュエル・マクロン仏大統領、アンゲラ・メルケル独首相の3首脳は、国連総会出席のために訪れている米ニューヨークで会談した。
「イランがやったのは明らか」
共同声明は、「この攻撃の責任がイランにあるのは、私たちには明らかだ。他に妥当な説明はできない。詳細を明らかにするため、現行の調査を支持する」とイランを非難。
「イランは、核開発の長期的な枠組みと、ミサイル開発や他の運搬手段を含む地域の問題に関する話し合いの場につくべき時だ」と要求した。
3首脳は同時に、2015年にイランと英仏独、アメリカ、中国、ロシアの計7カ国の間で結ばれたイラン核合意に「引き続き関与」していく考えも表明した。
「トランプ合意」を期待
ジョンソン英首相は同日遅く、イランとの新たな核合意が必要との考えを示した。
ジョンソン氏は米メディアのインタビューで、「合意には数多くの欠陥があると思うが、もし悪い合意なら、よりよい合意を結ぼうではないか」と発言。
「よりよい合意を結べるのは1人しかいない。イランのような難しい相手にどうすれば一線を越えさせられるのかを知っているのは、アメリカの大統領だけだ。だから、ずばり率直に言って、トランプ合意を期待している」と述べた。
このあと首相官邸は、ジョンソン氏が現行のイラン核合意を支持していると強調した。ジョンソン氏は、イランのハッサン・ロウハニ大統領との会談を予定している。
「米国抜きに行動できない」
これに対し、イランのジャヴァド・ザリフ外相は、欧州3カ国がアメリカの承認なしには「責任を果たせない、まひ」の状態にあることを露呈していると批判。
新たな合意に向けて協議を開く可能性はゼロだと述べた。

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ザリフ氏はまた、「この欠陥の解決法――独自の道を行く勇気を奮い起こすこと。核合意に沿わない、ばかげたアメリカの主張や要求をおうむ返ししないこと」とツイート。
「現行の核合意に従わずして、新たな合意はない」と付け足した。
イランはアメリカとその同盟国に対し、武力攻撃を受けた場合は反撃する準備ができていると表明している。
サウジアラビアの石油施設の攻撃をめぐっては、イエメンの反政府武装勢組織フーシ派が、ドローンによる攻撃を実施したと発表している。