米、イラン最高指導者に経済制裁 「外交を軽蔑」とイラン反発
アメリカのドナルド・トランプ大統領は24日、イランに対し強硬な追加経済制裁を科すと発表した。同国の最高指導者アリ・ハメネイ師も対象にするとしている。
トランプ氏は追加制裁について、イランによる米軍の偵察ドローン(小型無人機)の撃墜と、「他の多くのこと」を受けたものと説明した。
ハメネイ師を対象とすることについては、「イラン政権の敵対的行為に対する最終的な責任がある」ためと述べた。
幹部8人も対象に
BBCのバーバラ・プレットアッシャー米国務省担当編集委員は、イランの政治と軍事に関して決定権をもつハメネイ師は巨大な経済力ももっており、その最高指導者に経済制裁を科すことは大きな意味をもつと分析する。
また、すでにイランに経済制裁を科しているアメリカは、さらに厳しい追加制裁をすることで、同国がイランに求める核開発の中止やミサイル製造の制限などにイランを応じさせるのが狙いだという。
米財務省によると、追加制裁は「イラン革命防衛隊の敵意に満ちた地域的活動を監督している官僚組織の上層部」に属するイラン幹部指揮官8人も対象にしているという。
また、追加制裁により、「イラン指導者の経済資源へのアクセスを禁止するとともに、最高指導者や最高指導部に指名された特定の政府関係者たちも対象になる」と説明。イランによる外国の金融機関を通した取引も禁じるとしている。
これに対し、イランのジャヴァド・ザリフ外相はツイッターで、アメリカは「外交を軽蔑している」と反発。トランプ政権について「戦争を渇望している」と批判した。
一方、スティーブン・ムニューシン米財務長官は、ザリフ氏も今週内に経済制裁の対象になると述べた。
「ドローン撃墜前から検討」
中東ホルムズ海峡付近で発生したタンカー爆破やドローン撃墜を受け、アメリカとイランの緊張はここ数週間、一段と高まっている。
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ただ、追加制裁についてムニューシン米財務長官は、ドローンが撃墜される前から検討していたと説明した。
国連の安全保障理事会は、両国が冷静に外交手段を活用するよう求めている。