ニュージーランド、全土ロックダウン 感染者1人確認で
ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は17日、男性1人が新型コロナウイルスの陽性と判定されたとして、全土で緊急ロックダウンを実施すると発表した。同国で市中感染者が見つかったのは半年ぶり。
感染者は58歳で、オークランド市で確認された。12日から症状がみられるとされ、当局はデルタ変異株に感染したとみている。
他の人に伝染した可能性がある場所は、少なくとも23カ所に上るという。ニュージーランドのワクチン接種完了率は約20%にとどまっている。
ロックダウンは、オークランド市と、感染者が訪問していた沿岸部の町コロマンデルでは1週間、その他の地域では3日間、実施する。
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アーダーン氏はテレビ中継された記者会見で、最も厳しい「レベル4」の規制が必要だと説明した。学校や事業所、すべての商店が閉鎖され、生活に不可欠な社会サービスのみ継続される。
「こうした事態への対応は計画していた。断固とした早期の対策は、以前もうまく機能した」
「抑え込まないとどうなるか、私たちは他の国の例を見てきた。チャンスは1回しかない」
アーダーン氏はまた、デルタ株を「ゲーム・チェンジャー」(状況を一変させるもの)と呼んだ。
報道によると、オークランド市内のスーパーには、ロックダウンを見越して買い物をする客たちが押し寄せた。
1回接種は3割強
当局は、デルタ株への恐怖があることと、今回の感染者が国境管理や隔離施設と無関係であることから、強力な対策が必要だと説明した。
同国の保健省のデータによると、ここ数週間に入国者の中で確認された感染はすべてデルタ株だった。
同国はこれまで、国内での感染をゼロにすることに成功してきた。国外からの入国は大部分で禁止されている。
ただ、ワクチン接種のペースは遅い。アワ・ワールド・イン・データによると、接種を終えたのは国民の約20%で、1回接種したのは33%となっている。