バイデン米大統領の殺害を予告した男性、FBIに射殺される ユタ州

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画像説明, 容疑者の自宅はユタ州プロヴォのこの通りの近くにある

アメリカのジョー・バイデン大統領や当局者らを殺害するとオンラインで脅迫していたユタ州の男性が9日、連邦捜査局(FBI)の強制捜査中に射殺された。

バイデン氏はこの日、同州を訪問予定だった。到着の何時間か前の午前6時15分ごろ、FBI捜査官らが同州プロヴォに住むクレイグ・ロバートソン容疑者を逮捕しようと、自宅を訪れた。プロヴォは州都ソルトレークシティーの南約65キロメートル。

FBIは何が起きたのか、詳細は明らかにしなかった。

告訴状によると、ロバートソン容疑者はフェイスブックに銃の写真や、バイデン氏とニューヨーク州のアルヴィン・ブラッグ・マンハッタン地区検事を殺害するとの脅迫文を投稿した。ブラッグ氏は、ドナルド・トランプ前大統領が成人映画スターに対する口止め料の支払いを隠すため事業記録で不正を行ったとされる事件で捜査を担当している。

連邦政府のメリック・ガーランド司法長官や、ニューヨーク州司法長官のレティシア・ジェイムズ氏を標的としたメッセージも投稿されていたという。

ロバートソン容疑者はフェイスブックに、「バイデンがユタに来るらしい。古い迷彩服を掘り出し、M24狙撃銃のほこりを払い落としている」と書き込んでいた。

容疑者の二つのフェイスブックのアカウントには、他にも暴力的なメッセージや武器の写真が数多く投稿されていた。

「ユタは有名になるかもしれない」

告訴状によると、FBIがロバートソン容疑者に気づいたのは今年3月。トランプ氏が所有するSNS「トゥルース・ソーシャル」に、ブラッグ検事を脅迫する投稿をしたのがきっかけだった。同SNS側は、FBIの国家脅威作戦センターに通報した。

その後、FBI捜査官が容疑者を訪ねた。容疑者は投稿は「夢」だったとし、「もう終わりだ! 令状なしには二度と来るな!」と言って話を打ち切ったという。

容疑者はその後の投稿で、捜査官が訪ねて来たことに触れていた。また、狙撃兵が着用するような迷彩服を着た写真を載せ、当局者を繰り返し脅迫した。

投稿は8日も続き、「ユタは今週、狙撃手がマルクス主義者のバイデンを倒した場所として有名になるかもしれない」と書いていた。

バイデン氏は9日午後、退役軍人の病院訪問と政治資金集めのイベントのため、大統領になって初めて同州を訪問した。