南ア・オランダ便で61人の感染が判明、オミクロン株の可能性も 新型コロナウイルス
オランダ当局は27日、南アフリカから同国に到着した旅客機2便の乗客のうち、合わせて61人が新型コロナウイルス検査で陽性と判明したと発表した。南アフリカで検出された新たな変異株「オミクロン」に感染している人が「大勢いる可能性がある」という。
陽性者は現在、スキポール空港近くのホテルに隔離されている。
世界保健機関(WHO)は24日にオミクロン株について南アフリカから報告を受け、26日に「懸念される変異株」(VOC)に指定。初期段階の証拠では再感染リスクの増加が示唆されていると説明した。
すでに世界各国で、アフリカ南部からの渡航を制限する動きが出ている。
欧州では、これまでにイギリスやドイツなどでオミクロン株の感染者が見つかった。
オランダはこのところ感染拡大に苦慮しており、部分的なロックダウンを行っている。
このロックダウンは間もなく終わる予定だったが、28日にも延長が決まる見込みで、午後5時から翌朝5時までレストランやホテル、文化施設などの営業を禁止するなどの措置が少なくとも12月19日まで続く見通し。
「何時間も待たされた」
感染者が相次いだのは、KLM航空の南ア・ヨハネスブルグ発便で、26日の午前10時半と11時にそれぞれ到着した。
オミクロン株への懸念を受けて、オランダ政府はすでにこの地域からの渡航を制限しており、乗客に対する検査・隔離体制を整えていた。
しかし、ケープタウンからアムステルダム経由で英マンチェスターへ向かう途中だったという乗客はBBCの取材に対し、スキポール空港に到着してから飛行機を降りるまでに4時間かかったと話した。
この飛行機に乗っていた米紙ニューヨーク・タイムズのステファニー・ノレン特派員は、機内待機中の乗客には、飲み水も配られなかったとツイートした。
その後、乗客は飛行機から降ろされたものの、換気がほとんどない部屋に大人数で入れられている写真をソーシャルメディアに投稿した人もいた。
翌27日、オランダの保健当局はこの2便の乗客から61人の陽性者が出たと発表した。症状が出た乗客は7日間、無症状の人は5日間、隔離されるという。
また、陰性だった乗客も自宅での隔離と再検査を求められている。一方、乗り継ぎで同空港に到着した陰性者は、そのまま旅程を継続できる。
しかし、陰性証明書を受け取れず、そのため次の便に搭乗できない乗客も出ていると報じられている。