アフガン空爆の民間人死者、3年で4倍以上に=米研究
アメリカをはじめとする連合軍の空爆で死亡したアフガニスタンの民間人の数が、2016~2019年で330%増加していることが、アメリカの研究で明らかになった。
米ブラウン大学の「戦争の代償」プロジェクトによると、2019年だけで空爆で約700人の民間人が殺された。
これは、2001年9月11日の米同時多発攻撃を受けてアメリカがアフガニスタンに進攻した最初の数年以降で、最も多い数字だという。
連合軍の空爆に限定すると、民間人の死者は2016年に127人だったが、2019年には546人に増えた。
調査では、アメリカが2017年に交戦規定を緩和したことが、市民の死者数増加につながっていると指摘。空爆が増えたのは、地上に駐留する米軍が減ったことに加え、和平交渉に向けて反政府勢力タリバンへの圧力をかける目的があったためではないかとみている。
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アメリカは今年2月にタリバンと合意に至って以来、空爆を中止している。また、駐留軍の縮小も約束した。
一方、アフガニスタン政府とタリバンはなお交渉を続けている。
毎日5人の子どもが
同プロジェクトによると、アメリカとタリバンが合意してからアフガニスタン軍による空爆が激化している。
アフガン空軍は、「その歴史の中で最も多くのアフガニスタン市民に危害を加えている」と調査報告書は述べている。
2020年1~6月にアフガン軍の空爆で死亡した市民は86人。103人が負傷したという。
人権擁護団体セーブ・ザ・チルドレンは11月、アフガニスタンでは過去14年間、毎日平均5人の子どもが殺されたりけがをしたりしたと発表した。
また国連のデータによると、2005~2019年に少なくとも2万6025人の子どもが殺されたり重傷を負ったりしたという。